せがわ様のフリーゲーム『TOWER of HANOI』が大好きです。
今日プレイ始められた方のスクショを見ていろいろ思いだし、ちょっと語りたくなってしまったので短文ですが記事をしたためます。
True EndⅠのネタバレを含むためご注意くださいませ。
このゲームの特徴的な要素のひとつの属性「男・女・子供・老人」について。
「どうしてこのゲームがこんな属性を採用しているのか」=この作品のテーマと密接に関わっているから
ということと、
それに関連したすばらしい演出について少しだけ語らせてください!
上にも書いていますが、思いっきりラスボスなどのネタバレがあるのでご注意ください!
ゲーム名:TOWER of HANOI
制作 :せがわ 様
TOWER of HANOI:無料ゲーム配信中! [ふりーむ!]
まず上述のタワハノの属性について。
プレイしたときにまず引っかかる「男・女・子供・老人」というこの要素。
かなり特徴的ですが、これは重要なテーマである「役目」と密接な関わりがあるために、こんな属性を採用しているものと私は思っています。
もう少し分かりやすくするために自分の考えを説明してみます。
まず「属性」という言葉自体について
趣味の悪い(褒め言葉)偏見にまみれた敵キャラというのは、まさに”男”や”女”という「属性」に対してのバイアスの反映なわけです。
そも「属性」という用語自体、存在に対して使うときにこういったバイアスやテンプレートと強く関連した言葉なのですよね。
Wikipediaの記述、個人的には納得のいく表現でしたので補強のために引用させていただきます。
属性(ぞくせい、英:attribute, property)は、一般にあるものに共通して備わっているとされる性質や特徴のことである。例えば物体の色や形、人の能力、素性、社会的関係などである。
現実の人間を敵キャラに見立てたこの『TOWER of HANOI』というゲームにおいては、それらに「属性」を設定するとこうなるという批評的なお遊びにも感じますね。
(こういうユーモアを、解説することは寒いので恐縮ですが……)
さて、このゲームの主要なテーマに”役目”というものがあります。
存在には最初から与えられた”役目”があり、それからは逃れられない。
例えば最後には主人公に負けて死ぬのが役目なキャラクターに生まれてしまった場合、いかにそれに抗いたくとも抗うことができない。
上記の「男」や「女」という属性は、そういった意味でまさに人が与えられやすい”役目”の例のひとつなのではないでしょうか。
上のように思うのはもちろん自分の勝手な考察なのですが、ちょっとだけ根拠になるかなと思う、素晴らしい演出(と自分が思っている)があります。
自分の実況動画の最終回でも述べたのですが、この作品のラストバトルで地味かもしれませんが実はある設定がされているんです。
それが、倒されることを宿命づけられた哀れなデータたちを”役目”から解放しようと目論む、シューニャの属性についてです。
シューニャは戦闘中に途中で形態を変えるのですが、画像の第1形態では”見た目通り”「女」属性が付与されており、「女」特攻の攻撃がよく通ります。
ただし、途中で彼女が本気を出してからはここに変化が生じます。
シューニャから「女」属性が排除され、彼女は属性を持たない無属性となって戦うこととなります。
”属性”というものが”役目”と密接に関わっていると考えると、”役目”からみんなを解き放とうとするシューニャ自身が最後、属性を捨てることに成功していると捉えられ……シューニャの実現したい世界=無属性の世界を感じられる、大変エモい演出だと思いませんか……!?
私が本稿をしたためたのは、最後のこの演出(と自分が思っている)について熱く語りたかったがためでした。
また、最初は自分もぎょっとした本作特有の属性概念、こういう最初の違和感をよくよく大事にしていくと作品について色々と思い当たることが多いと思っているので、そのすすめでもあります。
ぜひ皆さんもご自身の引っかかりを大事にしてみてください。そういうところにこそ楽しい作品解釈があるかもしれません。